依存症治療に多い問題と改善方法

医療の現場における依存症治療の問題として、本人や周囲の誤った認識を持っていることが挙げられます。というのも、依存症は目立つ症状がなくなっても、完治したわけではありません。依存をもたらす物質に接すると症状が再発する可能性があるので、根気強く治療を続ける必要があります。

しかし、ある程度の治療を経て体調が改善すると、その時点で完治したと誤解してしまい、勝手に治療を止めてしまうケースが多いです。特にアルコール依存症にこの傾向が強く、完治したことを祝う名目で再び飲酒を行い、依存症の再発に至ってしまいます。依存症治療は単に身体の不具合を治すだけではなく、本人の誤った認識を改めることも、重要なポイントであることを忘れてはいけません。

その一方で、依存症治療を強制的に行うことはできないため、本人に治療の必要性を認識してもらうことが大切です。そこで、治療に従事する看護師が依存症本人への正しい接し方を学ぶ必要があります。誤った認識に対して頭ごなしに否定するのではなく、依存に至った経緯を踏まえて誤りを修正することが重要です。

人によっては、依存症になったことへの恥ずかしさや罪悪感を抱く人もいるため、安易な批判は避けましょう。依存症はあくまでも心身の不調をもたらす病気であることを示し、健やかな暮らしを営むには治療が不可欠であることを理解させるのが、看護師の務めです。本人の不安を取り除き、治療に前向きな姿勢を持つようにサポートするのが基本となります。そこで、依存症の治療に携わる看護師は、看護師のための依存症レッスンを読んで、より深く依存症について理解しておくといいでしょう。